インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

雑記

”人を熱烈に動かそうと思ったら”

*この記事は、裏法務系Advent Calender 2022の10日目のエントリーです。 *さむ(とむやむ)さんからバトンをつないでいただきました。 昨年は「表」の方で契約書審査依頼の「丸投げ」について書いてみました。今年はどうしよっかな~と思っている間に「表…

2021年に買った漫画

今年買ってた漫画を紹介していきます! アオアシ Jリーグクラブの下部組織で奮闘する少年の話。主人公が優秀な指導者に恵まれて類まれな才能を開花させていく。やっぱり才能×環境が大事なんやなって(そういう漫画ではありません。) 逃げ上手の若君 鎌倉幕…

年末年始の読書のすすめ

年末年始休暇。 何もやることがな〜い!という幸せな貴方のために、オススメの本をまとめました。 (法務ブックガイドに乗り遅れたからです。)1.推理小説を読んでみたい。倉知淳『星降り山荘の殺人』 子供の頃に怪人二十面相とかは読んでたけどそれ以来読ん…

M-1 2021感想

M-1の季節がくると、すっかり今年も終わりだなぁという気持ちになりますね。毎年いってます。 ・モグライダー 順番がなぁその1。 シンプルなネタで、笑いどころもわかりやすく、後半に向けてテンポアップしていくM−1で受けやすいネタ。 それだけに、一発目な…

なぜ契約書を読まない!?読めないのか!?読みたくないのか!?

※本投稿は,法務系 Advent Calendar 2021のエントリー記事です。 10ru(@oga10ru)さんからバトンをいただきました。「法務あるある」として語られることも多い,事業部門契約丸投げ問題について考えてみたいと思います。 契約書の中身も見ないで丸投げ,リス…

インハウスはつまらない?

結論:人による ……というと、話が終わってしまうので。 そもそも「インハウス」というのは、企業(自治体を含む場合もある。)で勤務する弁護士一般を指していうので、その仕事内容は所属する組織による。 一般的な法務部門に配属されれば、契約法務、コンプ…

おすすめできない法務の実務本

すごく役に立ったのに、オススメすることが憚られる本がある。 ある分野でトラブルが起き、法務へ相談が寄せられる。自社ではあまり経験のないトラブル。すぐに顧問の先生に連絡しよう。 とはいえ、丸投げはできない(先生の回答の適切さも全く評価できない…

NOというべき案件と報告

久々に法務ネタ。 某大手自動車メーカーで法務担当者が懲戒処分されたようで、少しTwitterでも話題になった*1。 平たく言うと嘘を塗り固めるために嘘をついた、という話。 法律どうこうというまえに常識で考えれば結論はわかりそうなものであるが……*2。 まず…

ウォルター・ブロック(訳:橘玲)『不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ』(2020年、早川書房)

2021年20冊目。 出版社による本書の紹介は以下の通りである。 売春婦、シャブ中、恐喝者はヒーローだ!!不道徳なものはすべて正しい! これからの「正義」の話をリバタリアン(自由原理主義者)がしよう。 そして、本書には次のような「ショック療法」の効果があ…

東川篤哉『謎解きはディナーの後で』(2012年、小学館文庫)

2021年19冊目。 ドラマ化もされたヒット作。 売れてる本はなぜか買いたくない天邪鬼でここまで読まなかったが、かなり良質な犯人当て集。 各短編がコンパクトながらツボを抑えており、普段ミステリを読まない人でも読む価値あり。

東川篤哉『もう誘拐なんてしない』(2010年、文春文庫)

2021年16冊目。いやぁ、面白い。この本が文庫化された10年前、なんで読まなかったんだろう。 ミステリから離れてしまっていたが、この10年で出た作品たちを読み漁ろう。

福岡伸一『生命海流 GALAPAGOS』(2021年、朝日出版社)

2021年、15冊目。 『生物と無生物の間』でヒットを飛ばした著者のガラパゴス諸島紀行文。 ガラパゴス諸島を巡りながら、高校の生物の知識も怪しい読者にもわかるようにガラパゴスにまつわるアレやコレやを解説してくれる。 人懐っこい動物たちに会いにガラパ…

無資格法務とインハウスの住み分け

少し前の話になるが、 「インハウスは専門家であり、無資格法務は部門全体のリーダー、マネージャーである」 「インハウスは新しい/難しい法的問題に取り組」む、「無資格法務は、経営の意思決定に関与し、部門の方向性を決め、リソースを効率的に活用(育成)…

東川篤哉『交換殺人には向かない夜』(2010年、光文社文庫)

2021年14冊目。 この著書の作品はずーっと気になるけど読んでないを(20年近く)続けてきたが、いよいよ読んでしまった。 なんとなく、メディアミックスしてる著者って手をつけにくくなりがちで…(この著書の場合は『謎解きはディナーのあとで』)。 読んでみる…

ミステリのルール、訴訟のルール

弁護士で作家の五十嵐律人氏が以下のインタビューでコメントされていました。 弁護士作家・五十嵐律人氏「ミステリーと法律論は似てますよね」|NEWSポストセブン 伏線や謎解きもなく真犯人が登場しても、読者は納得しないと思います。その結末に至るのにい…

田口俊樹『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年』(2020年、本の雑誌社)

2021年13冊目。 翻訳者のエッセイ。翻訳者の世界の一端を覗くとともに、一応「言葉」でメシを食べている者として勉強になる点、トリビア的な点もあり面白かった。 結構、法律書面のドラフトと共通するところがあるもんだ、と感じました。おすすめです。 特に…

契約審査業務は結局ヒトのもの

色々感じたところもあり、 どれだけ契約審査にAIが使われるようになろうとも、社内外の交渉は人がやるわけで、そういう意味で法務の仕事はなくならないだろうとは思ってる と呟いた。 法務の仕事、というのは契約審査業務を指しており、要するに契約周りの仕…

向いていなければインハウスになればいい

今日のつぶやきからメモ。・たまーに「事務所が向いていなければインハウスになればいい」的な言説に触れるのだけれど、民間企業をセーフティネットか何かと勘違いするのはやめていただきたい。 ・というか、セーフティネットとして舐めきった態度でインハウ…

将棋のすすめ〜将棋と訴訟はだいたい同じ〜

緊急事態宣言下、ひと仕事終えたあとの高級レストランでのひとときもままならない各位。 将棋を始めてみるのはいかがでしょうか。今更将棋かよ…と思うなかれ。将棋は弁護士業に非常に近いのです。 1.将棋は訴訟とだいたい同じ あまり知られていませんが、将…

その回答、メールでするか?電話でするか?

1.はじめに簡単な質問をメールでもらったとします。メールの送り主は「一見さん」。どんな人なのかわかりません。とはいえ、メールに必要な事項は不足なく書かれており、追加の確認は不要そうです。 少し確認作業をしてさあ回答、ということになったときその…

納期の伸ばし方

法務に限らず、仕事は納期に追われるもの。 かの、手塚治虫も「傑作は、締切から生まれる」という名言を残したとか。そして編集者からの催促攻めにあったとか。いやあ、納期ってほんといいもんですね*1。 冗談はさておき。仕事術的な本を読むと、必ずと言っ…

2021年になりました

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。今年の目標は以下の通りです。 ・本を50冊以上読む ・G1全レース的中させる ・週15時間は勉強の時間を取る過程を楽しむ1年にしたいですが、馬券はそろそろあたってくれなきゃ困ります。

2020年の終わり

今年は仕事が楽しくなった年でした。 経験上、楽しい時期が来たらしばらくは楽しい時期が続くので、来年も楽しい一年になる気がします。一文に楽しいを3回も使ってしまいました。アホ丸出しです。思ってたよりも本が読めなかった(27冊。高校生〜大学生の頃は…

M−1 2020 感想

去年に続き、M1の感想をつらつらと。去年のはこちら。 M−1 2019 感想 - インハウスな日々・インディアンズ(敗者復活) ネタの完成度はめちゃくちゃ高かったと思う。今年のM-1で見たネタの中で、2番目に面白かった。 出順がなぁ…インディアンズがラストとかな…

おめでとう、アーモンドアイ

アーモンドアイのラストランが終わった。 終わってみれば、無敗の三冠馬2頭を従えて、堂々の一着。有終の美を飾った。その生涯成績は14戦10勝[ 10-2-1-1 ]。唯一の馬券を外したのが有馬記念、あとは全てのレースで馬券になってみせた。 僕が彼女と出会ったの…

なぜ法務は断言することを求めるか?

Twitterにて、誠実な弁護士であればAあるいはBと評価される可能性もある場合、望む結論になるために取りうる方策までは伝えるが、それ以上の断言は難しい、という呟きに接した*1。 それはそうあるべきだと思うが、なぜ企業の中の人間が断言を求めるか、二言…

無駄なラリー

契約書ネタばかりですが、最近思っていることをつらつらと。 無駄なラリーを減らすことってもっと意識してもいいんじゃないでしょうか、というのがこの記事のテーマです。 先日も少し書きましたが、契約交渉の無駄なやり取りを減らすことって双方にとってwin…

修正を提案するなら理由もつけてくれ

契約書の修正というと、本文でコメントするかWordのコメント機能を使うか問題とか、エクセルで契約書作るな問題とか、「絶対に修正できない契約書」問題とか、色々あると思いますが……。何よりも問題だと思うのが、修正理由をつけずに修正提案をしてくるパタ…

11月

11月になりました。今年は仕事の幅も広がり、やりがいも責任も大きくなったこともあってか、あっという間でした。 なんというか、インハウスの楽しさを一番感じてる1年になった気がします。このあたりのこと、年内に整理して年明けを迎えたいです。ありがた…

自分の引き出しと外部の引き出し

森博嗣がどこかで「人生には、テキストもノートも助っ人も、なんでも持ち込めます」と書いていて、なるほどそういう考え方もあるのかと思った次第。司法試験に限った話ではないけれど、試験と名のつくものにはおよそ持ち込めるものが限られていて(司法試験…