インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

東川篤哉『謎解きはディナーの後で』(2013年、小学館文庫)

2021年、28冊目。 シリーズ第二作。 前作が非常にハイクオリティだっただけに余計に感じるのかもしれないが、少しレベルは落ちてしまったように思う。 やっぱり、ドラマ化+大ヒットすると、熱いうちに鉄を打とうとする出版社にせっつかれるのかしら…と思う…

丸島 儀一『キヤノン特許部隊』(2002年、光文社新書)

2021年、27冊目。 少し古い本であり、「飲み屋で聞く上司の武勇伝」の趣きもないとはいえないが、良い本だった。キヤノン知財部のノンフィクションだが、法務が読んでも非常に面白い。 例えば、事業部門と議論する重要性を説く場面。 要するに本当に事業のた…

森博嗣『つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3』(2014年、講談社文庫)

2021年、26冊目。 (いい意味で)毒にも薬にもならないエッセイ集。 森博嗣、ミステリはあまり合わなかったんだけど、エッセイは割と肌に合う。 百万部売れる本はかけないけど、5万部売れる本を20冊かけるという話はなるほど、凄いなぁと思いました(速筆で…

インハウスはつまらない?

結論:人による ……というと、話が終わってしまうので。 そもそも「インハウス」というのは、企業(自治体を含む場合もある。)で勤務する弁護士一般を指していうので、その仕事内容は所属する組織による。 一般的な法務部門に配属されれば、契約法務、コンプ…

おすすめできない法務の実務本

すごく役に立ったのに、オススメすることが憚られる本がある。 ある分野でトラブルが起き、法務へ相談が寄せられる。自社ではあまり経験のないトラブル。すぐに顧問の先生に連絡しよう。 とはいえ、丸投げはできない(先生の回答の適切さも全く評価できない…

村上 春樹『ランゲルハンス島の午後』(1990年、新潮文庫)

2021年、25冊目。 「スプートニクの恋人」の挫折がトラウマになって早幾年。 村上春樹に慣れる目的で、ノンフィクションものや読者の質問への回答集(『村上さんのところ』)を読破し、いよいよエッセイに手をだした。 なんというか、村上春樹らしいエッセイ…

森 博嗣『ツンドラモンスーン The cream of the notes 4』(2015年、講談社文庫)

2021年、24冊目。 森博嗣のエッセイ集。 「自分はこういう理由でこう考える」ということを示すのが相変わらずお上手で(プロの作家にこんなこと言うのは失礼ですが。)、お酒のアテに丁度いい。 1エッセイ2ページだし。

本郷 貴裕『はじめてでも読みこなせる英文契約書』(2018年、明日香出版社)

英文契約書の入門書としては、かなりわかりやすい内容。 正直英文契約は「習うより慣れろ」なところもあると思うけれど、とはいえ「慣れることさえできない」という段階があるのも事実。 契約書や英文の構造を、ある種受験参考書のように解説しており、 契約…

スティーヴン・ウィット(訳:関美和)『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち 』(2018年、早川書房)

2021年23冊目。 今年読んだ本の中で(大した量読んでいませんが)最も面白かった。 音楽が、CDで売られていた時代から、タダで(違法に)手に入る時代を経て、月額1000円で手に入るようになるまでを、MP3を開発した技術者、大手レコード会社のトップ、CD工場…