インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年振り返り

今年もいろいろありました。 大晦日なのでつらつら今年の仕事を振り返ってみます。・「こういうことはあの人に聞けばいい」というのがわかってきた →他部署のキーマンがわかってきました。その部署の標準的な見解を知りたいとき、その部署にそれとなく話を落…

NHKスペシャル「未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言」(新潮文庫)

1984年の江崎グリコ社長誘拐事件に端を発し、連続企業脅迫事件に発展したグリコ・森永事件。攻殻機動隊の「笑い男事件」は明らかにグリコ・森永事件をモチーフの1つにしていますね。結局犯人は逮捕されることなく、全ての事件について時効を迎えたこの事件。…

仕事の納め方 あるいは投げつけ方

2019年はあと数日ありますが、今日で仕事納めという方も多かったのではないでしょうか。 仕事、納まりましたか?全仕事を終わらせることは無理にしても、なんとか手元にボールを残さず新年を迎えたい。 全人類共通の夢ですよね。今更言っても仕方ないですが…

新・AIによる契約書審査

AIによる契約書レビューについて、徐東輝とんふぃ(@tonghwi17)さんの記事を拝見しました。 読み応えのある記事です。note.com以下、感想です。 いちユーザーとしては、どうしてもできること・できないことに関心がありますが、私が当面AIに期待したいのは…

有栖川有栖「作家の犯行現場」(新潮文庫)

ミステリ作家の有栖川有栖の旅行エッセイ。 ただし、旅行先は推理小説の舞台となった現場(軍艦島、廃病院、西洋館…)で、ならでは、の内容になっている。実際に行くことはない場所に連れて行ってくれる良質のエッセイ集で、同時にブックガイドも兼ねてくれ…

M−1 2019 感想

M-1の感想をつらつらと。・ニューヨーク トップバッターの不利を一身に受けてしまった印象。 たとえツッコミも芸能界に交えたものが多く、あまりテレビを見ない僕みたいな人間には伝わらなかった。・かまいたち 素晴らしい出来。 見事に客席をうねらせた。 …

契約書レビューは面白いのか?

最近、インハウスの友人と二人で飲む機会があった。 期は違うものの、大学時代からの友人。二人とも司法試験に合格、修習後すぐに企業に入った。忘年会を兼ねた会だったので、互いに近況報告、共通の友人のこと…やらなんやらをひとしきり話したところで2軒目…

村上春樹「雑文集」(新潮文庫)

村上春樹のエッセイやらスピーチやらをまとめた本。 以前読んだ「村上さんのところ」が意外と面白かったので手を出してみたが、イマイチ楽しめなかった。そもそも村上春樹ファン向けに作られている本で、僕みたいに村上春樹2冊目で読むのが間違っている。 た…

法務≒ゴールキーパー論

法務とゴールキーパーって似てないか? ふとこう思ったので、気のむくままに適当に書いてみる。 サッカーを見ない人にはわかりにくいだろうけど、ゴールキーパーの役割はゴールポストの前でうろちょろすることではない。ゴールキーパーにできて他のプレイヤ…

村上春樹「村上さんのところ」(新潮文庫)

村上春樹が読者の質問に答えた回答集。 かるーいエッセイのようなテイストでスラスラ読めるし、読むのが苦にならない。良い意味で息抜きに適した、スワローズファン必読の一冊。ところで、実はこれが人生初の村上春樹本になってしまったのだけど、長編も読ん…

二回試験の後

二回試験の不合格発表があったようですね。残念な結果になってしまった方、直ちにアクションを起こしましょう。Twitterでちょっと調べればつてが見つかるはずです。無事合格された方、おめでとうございます。 今月からか、来月からか、はたまたそれ以降かは…

井上章一他「世界史のミカタ」(祥伝社新書)

居酒屋で隣の席のオジサン同士の世界史談義を聞きたくなったら、本書を手にとって見ると良いのではないかと思う。確かに、西洋や東洋といった枠組みを超えて話は進むし、教科書にはできないことをやっているのもそうなのだけど、どっ散らかって好きなことを…

続・AIによる契約書審査と将棋ソフト

昨日、裏LegalAC7日目の記事として以下の記事を投稿したところ、Twitterにて様々反応をいただきました。 mimizuku18.hatenablog.com その中でも、ronnor(@ahowota)さんの以下のツイートにハッとさせられましたので、ご紹介します。 AIによる契約書レビュー…

AIによる契約書審査と将棋ソフト #裏LegalAC 

この記事は裏LegalAC7日目の記事です。 トップバッターのアーリー(@NH7023)さんの記事「いちユーザーとしてのリーガルテックへの想いと期待 #裏LegalAC」に触発され、「AIによる契約書レビュー」をテーマに書いてみようと思った次第です。 私はAI開発の専…

景気と法律事務所の採用動向

気がつくと12月ですね。 実務についてからあっという間に2年がたとうとしており、驚くやらなんとやらです。裏アドベントカレンダーの記事を書かないといけないことを頭の片隅におきつつ、明日の仕事の仕込みをしていました。さて、本題。 修習生の就活は69…

地味で根気のいる業務

昨日、ronnor(@ahowota)さんが以下のようなブログ記事を投稿されていました。 私が普段の仕事のなかで言語化できないまま使っている方法や、使ったことのなかった方法が整理されており、非常に参考になりました。 そして記事を読んでふと思いました。 「働…

『契約書作成の実務と書式 -- 企業実務家視点の雛形とその解説』(第2版)

契約書に関する書籍は多くあれど、なにか一冊選ぶのであればコレ。と、個人的には大変お世話になっている本の2版がでました。1.おすすめポイント ①条文・判例からの丁寧な解説 類書にありがちな、「実務的にはこういう規定が一般的なんだよ~」で終わってし…

番狂わせを日常的に楽しむ方法

ラグビー日本代表の大一番を前日に控え、どうでもいい記事を投稿する。いきなりだが、スポーツ観戦の魅力はなんだろうか? 応援しているチームの勝利、ひいきの選手の活躍、手に汗握る名勝負、因縁の相手への雪辱……色々挙げられるが、私は「番狂わせ」を推し…

備忘録ー非常事態におけるインハウスの役割

最近世間を賑わせている某芸能事務所の記者会見に登場したインハウスが話題です。 ちゃんと思考をまとめる気力もないのでメモ程度に……。個人的には非常事態への対応はインハウスで処理するのではなく外部の法律事務所にお願いをした方がよいと思っています。…

仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!

仕事の能率を上げるためのアイデア集といった感じの一冊。 結構取り入れられそうな内容もあったので個人的には買ってよかったけど、出来る人は無意識にしているんだろうなー、というのが率直な感想。例えば「合格ラインを設定してそこまでしかやらないように…

「現場に近い」

インハウスならではの魅力としてあげられるキーワードになっている感もありますが、実際に現場に近いところで働いている(?)身として思うことなどを。1.現場に近い 法務部門に依頼する人(部署)は同じ組織で働く人たちで、気軽に会ったり電話一本ですぐ繋がる…

奇譚を売る店

読みました。 第14回「酒飲み書店員大賞」受賞作で、夜中にチビチビお酒を飲みながら読むのにピッタリの短編集(1話読んで寝ればちょうど良い長さ)。 「世にも奇妙な~」で映像化できそうな内容で、幻想小説:ミステリが8:2といった感じでしょうか。 暫く趣…

修習後即インハウスの是非

昨日Twitter(@ahoaho1818)にて、修習後の進路として企業と法律事務所のどちらか迷っている人は、法律事務所へ就職すべきである旨のブログ記事を紹介したところ、様々な反応を得ました。当該記事について色々思うところはあります*1が、修習後即インハウスの…

新人法務パーソンが参考にするべきブログ記事まとめ

新人法務部員の役に立つであろうブログ記事を備忘録的にまとめました。 0.まずはここから ブログ記事を紹介する記事でいきなり(ほぼ)同趣旨のブログを紹介させていただく愚行。大変参考になりますので,この記事を紹介しないわけにはいかず…ご容赦くださ…

企業内の契約書審査について考えてみる

法務部門の役割は企業ごとに異なりますが、契約書審査を別部署が担当している、という企業はないのではないでしょうか。 法務として働くに辺り契約書審査業務は避けては通れない道で、私のようなひよっこも日々契約書審査業務と悪戦苦闘しています。積み重な…