田口俊樹『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年』(2020年、本の雑誌社)
2021年13冊目。
翻訳者のエッセイ。翻訳者の世界の一端を覗くとともに、一応「言葉」でメシを食べている者として勉強になる点、トリビア的な点もあり面白かった。
結構、法律書面のドラフトと共通するところがあるもんだ、と感じました。おすすめです。
特に印象に残っているのは冒頭の一文。
「きみは自分の訳書を読んだりしない? おれなんか読み返しちゃ、うっとりしてる」 翻訳の大先輩、故小鷹信光さんに生前、そんなことを言われたことがある。それぐらい自分の訳書には愛情を持て、ということだったのだろう。自信がなければ愛情は持てない自信が持てないような訳などするな。そんな声まで聞こえてきそうだ。(14ページ)
そっくりそのまま契約書(などの成果物)にもあてはまりそうである。
ちなみに、うまくドラフトでき、締結に至った契約書案を見返したことはあります。