インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

”人を熱烈に動かそうと思ったら”

*この記事は、裏法務系Advent Calender 2022の10日目のエントリーです。 *さむ(とむやむ)さんからバトンをつないでいただきました。 昨年は「表」の方で契約書審査依頼の「丸投げ」について書いてみました。今年はどうしよっかな~と思っている間に「表…

NHKスペシャル取材班編著『日本人はなぜ戦争へと向かったのか メディアと民衆・指導者編』(新潮文庫、2015年)

NHKスペシャル取材班編著『日本人はなぜ戦争へと向かったのか メディアと民衆・指導者編』(新潮文庫、2015年) 戦争で発行部数を大幅に伸ばしたマスコミ、軍部の方針と反する記事を掲載することで自らの「首」を心配する新聞記者、熱狂に踊る国民、世論を味…

麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』(集英社文庫、2016年)

麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』(集英社文庫、2016年)麻耶雄嵩のシリーズモノ。前作『貴族探偵』と異なり、全編推理合戦もの(同じ事実関係のもとに複数の解決が示された後、真の解決が示される、推理小説のパターン)になっていて、(この趣向が好きな身と…

米澤穂信『巴里マカロンの謎』(創元推理文庫、2020年)

米澤穂信『巴里マカロンの謎』(創元推理文庫、2020年)小市民シリーズ久々の新作らしい。前作、「秋期限定栗きんとん事件」が出版されたのはつい昨日のことのようで、時の流れの速さがなんともアレ。内容自体は、シリーズファンでなければあえて手を出す必…

似鳥鶏『叙述トリック短編集』(2021年、講談社タイガ)

似鳥鶏『叙述トリック短編集』(2021年、講談社タイガ 2022年、7冊目。「叙述トリックモノ」と謳った短編集で、事前にトリックをオープンにしている点で、なかなかチャレンジングな作品(某叙述モノしか書かない作家を思い出すなど)。全体として作者の目論…

吉田 悠軌『禁足地巡礼』(2018年、扶桑社新書)

吉田 悠軌『禁足地巡礼』(2018年、扶桑社新書)https://t.co/R39reU6tv12022年、6冊目。信仰的な理由や心霊的な理由で足を踏み入れることが禁止される場所、「禁足地」に関する考察本。「巡礼」とあるが、禁足地についてのルポはメインではなく、それぞれの禁…

沢木耕太郎『一号線を北上せよ〈ヴェトナム街道編〉』(2006年、講談社文庫)

2022年5冊目。沢木耕太郎の紀行小説。水曜どうでしょうレギュラー放送最後の旅になった原付ベトナム縦断とちょうど逆のルートで旅をしているので、聞き馴染みのある街がでてくる。学生の頃に読んだ深夜特急もそうだったけど、本当に旅をしている気持ちになっ…

森博嗣『読書の価値』(2018年、NHK新書)

2022年、4冊目。 なんだかんだ面白いので読んでしまう、森博嗣のエッセイ。 読むたびに思うけど、この作者は自分を客観的に観察しようとするのが凄いなと思う。自分にはできない(比べるのもおこがましい)。 あと、森博嗣は1時間に6000字書けるらしい。凄い…

麻耶雄嵩『貴族探偵』(2013年、集英社文庫)

2022年、3冊目。 麻耶っぽさはあまり高くないものの、ミステリ短編集としてクオリティは高い。オススメ。

麻耶雄嵩『さよなら神様』(2017年、文春文庫)

2022年、2冊め。 探偵役は「神様」であり、犯人は最初の一文で示され、ワトソン役(こう言っていいのかわからないけれど)は神様を疑いながらもその裏付けを取る、連作集。 麻耶雄嵩らしいミステリの切り口。 良作です。

山舩 晃太郎『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』(2021年、新潮社)

2022年1冊目。 結構面白かった。 沈没船を調査し、歴史を紐解く水中考古学者である著者の刺激的な体験記。 英語をまったく話せないとこらから、10年で学者(博士)になるくだり、かる~く書かれてるけど、めちゃくちゃ大変だったんだろうなと思う。 好きなこ…

今年の目標

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 今年の目標は以下の通りです。 ・本を50冊以上読む(昨年実績33冊)・週15時間は勉強の時間を取る。特に英語の。(昨年実績○)

2021年に買った漫画

今年買ってた漫画を紹介していきます! アオアシ Jリーグクラブの下部組織で奮闘する少年の話。主人公が優秀な指導者に恵まれて類まれな才能を開花させていく。やっぱり才能×環境が大事なんやなって(そういう漫画ではありません。) 逃げ上手の若君 鎌倉幕…

桃戸ハル編・著『5分後に意外な結末 ベスト・セレクション』(2019年、講談社文庫)

2021年、33冊目。 薄味の世にも奇妙な物語という感じで、個人的にはいまいち。 サクサク読めるのはよかったし、小学校高学年くらいの頃に読んでたらハマっていたかもしれない。対象の読者もそのあたりなのではないかと思う。

【法務】案件メモの管理方法集

【法務】案件メモの管理方法集 - Togetterhttps://togetter.com/li/1473481 2年近く前のものですが、案件メモの管理手法についてTwitterの知見をまとめていました。 備忘のため、ブログにも残しておきます。

年末年始の読書のすすめ

年末年始休暇。 何もやることがな〜い!という幸せな貴方のために、オススメの本をまとめました。 (法務ブックガイドに乗り遅れたからです。)1.推理小説を読んでみたい。倉知淳『星降り山荘の殺人』 子供の頃に怪人二十面相とかは読んでたけどそれ以来読ん…

AKIRAの思い出

AKIRAが無料で公開されているとのこと。 劇場版アニメ『AKIRA』12月28日(火)まで 「大友克洋全集」発売記念 期間限定公開!【公式アニメ】【AKIRA OFFICIAL】 - YouTube AKIRAは、大友克洋による漫画版が1982年から連載され、その映画版は同じく大友克洋が監…

養老孟司『 AIの壁 人間の知性を問いなおす』 (2020年、PHP新書)

2021年、32冊め。 養老孟司と、4人の識者のAIに関する対談をまとめた本。 羽生さんも対談相手にいたので読んでみたが、正直イマイチ。途中でいわゆる「対談本」が苦手なことを思い出した。当たり前だけど、話があっちこっち行くし、感覚で話してそうなところ…

M-1 2021感想

M-1の季節がくると、すっかり今年も終わりだなぁという気持ちになりますね。毎年いってます。 ・モグライダー 順番がなぁその1。 シンプルなネタで、笑いどころもわかりやすく、後半に向けてテンポアップしていくM−1で受けやすいネタ。 それだけに、一発目な…

なぜ契約書を読まない!?読めないのか!?読みたくないのか!?

※本投稿は,法務系 Advent Calendar 2021のエントリー記事です。 10ru(@oga10ru)さんからバトンをいただきました。「法務あるある」として語られることも多い,事業部門契約丸投げ問題について考えてみたいと思います。 契約書の中身も見ないで丸投げ,リス…

福井 安紀『職業は専業画家』(誠文堂新光社、2021年)

2021年、31冊目。 専業の画家として生計を立てる著者が、いかにして生計を立てているか、その方法論を紹介する本。 価格設定、顧客の作り方、展示会の開き方…など、そもそも現代の画家がどうやって稼いでいるのかも知らなかったので、非常に面白く読んだ。 …

東川 篤哉 『はやく名探偵になりたい』(2014年、光文社文庫)

2021年30冊目。 烏賊川市シリーズの短編集。同シリーズは結構ハイアベレージだと個人的には思っているのだけれど、本作もなかなか良作揃い。 正統派の作品はあまりないけれど、どれも粒ぞろい。オススメです。 長編も短編良作を揃えられる、作者の底力を感じ…

森博嗣『つぼみ茸ムース The cream of the notes 5』(2016年、講談社文庫)

2021年29冊目。 良くも悪くもいつもどおりのエッセイ集。 このシリーズは長らく通勤時の読書を支えてくれたが、少しお休みしようと思う(飽きてきた。)。

東川篤哉『謎解きはディナーの後で』(2013年、小学館文庫)

2021年、28冊目。 シリーズ第二作。 前作が非常にハイクオリティだっただけに余計に感じるのかもしれないが、少しレベルは落ちてしまったように思う。 やっぱり、ドラマ化+大ヒットすると、熱いうちに鉄を打とうとする出版社にせっつかれるのかしら…と思う…

丸島 儀一『キヤノン特許部隊』(2002年、光文社新書)

2021年、27冊目。 少し古い本であり、「飲み屋で聞く上司の武勇伝」の趣きもないとはいえないが、良い本だった。キヤノン知財部のノンフィクションだが、法務が読んでも非常に面白い。 例えば、事業部門と議論する重要性を説く場面。 要するに本当に事業のた…

森博嗣『つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3』(2014年、講談社文庫)

2021年、26冊目。 (いい意味で)毒にも薬にもならないエッセイ集。 森博嗣、ミステリはあまり合わなかったんだけど、エッセイは割と肌に合う。 百万部売れる本はかけないけど、5万部売れる本を20冊かけるという話はなるほど、凄いなぁと思いました(速筆で…

インハウスはつまらない?

結論:人による ……というと、話が終わってしまうので。 そもそも「インハウス」というのは、企業(自治体を含む場合もある。)で勤務する弁護士一般を指していうので、その仕事内容は所属する組織による。 一般的な法務部門に配属されれば、契約法務、コンプ…

おすすめできない法務の実務本

すごく役に立ったのに、オススメすることが憚られる本がある。 ある分野でトラブルが起き、法務へ相談が寄せられる。自社ではあまり経験のないトラブル。すぐに顧問の先生に連絡しよう。 とはいえ、丸投げはできない(先生の回答の適切さも全く評価できない…

村上 春樹『ランゲルハンス島の午後』(1990年、新潮文庫)

2021年、25冊目。 「スプートニクの恋人」の挫折がトラウマになって早幾年。 村上春樹に慣れる目的で、ノンフィクションものや読者の質問への回答集(『村上さんのところ』)を読破し、いよいよエッセイに手をだした。 なんというか、村上春樹らしいエッセイ…

森 博嗣『ツンドラモンスーン The cream of the notes 4』(2015年、講談社文庫)

2021年、24冊目。 森博嗣のエッセイ集。 「自分はこういう理由でこう考える」ということを示すのが相変わらずお上手で(プロの作家にこんなこと言うのは失礼ですが。)、お酒のアテに丁度いい。 1エッセイ2ページだし。