インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

修正を提案するなら理由もつけてくれ

契約書の修正というと、本文でコメントするかWordのコメント機能を使うか問題とか、エクセルで契約書作るな問題とか、「絶対に修正できない契約書」問題とか、色々あると思いますが……。

何よりも問題だと思うのが、修正理由をつけずに修正提案をしてくるパターン。
こんなことをされて、「ハイ、そうですか」と受け入れる法務があるのだろうか?
どういう根拠で修正案が妥当と考えているのか示してくれないと、受け入れ可能か判断できない*1
議論にもならないし、折衷案を提案することもできない。
それとも、修正案それ自体の内容だけ見れば意図が伝わるとでも思っているのだろうか?*2
結局、修正理由を聞かなければ修正提案を検討することすらできない。

双方のリソースを無駄に使っているので何らいいことはないはずである。
法務以外が窓口になっている場合(そのほうが多いと思うが)には、法務+窓口になっている部署に無駄な仕事が発生する。
契約の締結時期も後ろにずれ込む。本当に無駄な時間だと思う。

挙げ句の果てには、修正した理由を尋ねると「なら原案(こちらの提案した条件)でいいです」と返ってきたことさえある。
理屈も捏ねられないような提案をするな。それを見たあなたの会社の窓口担当部署はどう思うんだ*3

契約書、修正を提案するなら理由を添えましょう。
お願いです。

追記:実質的に見て理由になっていない場合も同様。弁護士からこう修正したらどうかと言われたとのコメントを頂戴したことがあるが、「だからどうしろと?」以外の感想がなかった。

*1:「以下、〇〇という。」を「以下〇〇という。」に、修正するとか、人の好みのレベルのところであればわざわざ修正理由をつける必要はないと思う。一方で、そんなとこ修正しなくてもいいじゃんとも思うが…社内で色々あるのかもしれないし突っ込んだりはしない。

*2:察せるような場合ももちろんあるのですが…わかった気になるのって一番危ないですよね。

*3:見てないのかもしれないが…本当に怒っていいと思う