インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

趣味の読書

NHKスペシャル取材班編著『日本人はなぜ戦争へと向かったのか メディアと民衆・指導者編』(新潮文庫、2015年)

NHKスペシャル取材班編著『日本人はなぜ戦争へと向かったのか メディアと民衆・指導者編』(新潮文庫、2015年) 戦争で発行部数を大幅に伸ばしたマスコミ、軍部の方針と反する記事を掲載することで自らの「首」を心配する新聞記者、熱狂に踊る国民、世論を味…

米澤穂信『巴里マカロンの謎』(創元推理文庫、2020年)

米澤穂信『巴里マカロンの謎』(創元推理文庫、2020年)小市民シリーズ久々の新作らしい。前作、「秋期限定栗きんとん事件」が出版されたのはつい昨日のことのようで、時の流れの速さがなんともアレ。内容自体は、シリーズファンでなければあえて手を出す必…

似鳥鶏『叙述トリック短編集』(2021年、講談社タイガ)

似鳥鶏『叙述トリック短編集』(2021年、講談社タイガ 2022年、7冊目。「叙述トリックモノ」と謳った短編集で、事前にトリックをオープンにしている点で、なかなかチャレンジングな作品(某叙述モノしか書かない作家を思い出すなど)。全体として作者の目論…

吉田 悠軌『禁足地巡礼』(2018年、扶桑社新書)

吉田 悠軌『禁足地巡礼』(2018年、扶桑社新書)https://t.co/R39reU6tv12022年、6冊目。信仰的な理由や心霊的な理由で足を踏み入れることが禁止される場所、「禁足地」に関する考察本。「巡礼」とあるが、禁足地についてのルポはメインではなく、それぞれの禁…

沢木耕太郎『一号線を北上せよ〈ヴェトナム街道編〉』(2006年、講談社文庫)

2022年5冊目。沢木耕太郎の紀行小説。水曜どうでしょうレギュラー放送最後の旅になった原付ベトナム縦断とちょうど逆のルートで旅をしているので、聞き馴染みのある街がでてくる。学生の頃に読んだ深夜特急もそうだったけど、本当に旅をしている気持ちになっ…

森博嗣『読書の価値』(2018年、NHK新書)

2022年、4冊目。 なんだかんだ面白いので読んでしまう、森博嗣のエッセイ。 読むたびに思うけど、この作者は自分を客観的に観察しようとするのが凄いなと思う。自分にはできない(比べるのもおこがましい)。 あと、森博嗣は1時間に6000字書けるらしい。凄い…

麻耶雄嵩『貴族探偵』(2013年、集英社文庫)

2022年、3冊目。 麻耶っぽさはあまり高くないものの、ミステリ短編集としてクオリティは高い。オススメ。

麻耶雄嵩『さよなら神様』(2017年、文春文庫)

2022年、2冊め。 探偵役は「神様」であり、犯人は最初の一文で示され、ワトソン役(こう言っていいのかわからないけれど)は神様を疑いながらもその裏付けを取る、連作集。 麻耶雄嵩らしいミステリの切り口。 良作です。

山舩 晃太郎『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』(2021年、新潮社)

2022年1冊目。 結構面白かった。 沈没船を調査し、歴史を紐解く水中考古学者である著者の刺激的な体験記。 英語をまったく話せないとこらから、10年で学者(博士)になるくだり、かる~く書かれてるけど、めちゃくちゃ大変だったんだろうなと思う。 好きなこ…

2021年に買った漫画

今年買ってた漫画を紹介していきます! アオアシ Jリーグクラブの下部組織で奮闘する少年の話。主人公が優秀な指導者に恵まれて類まれな才能を開花させていく。やっぱり才能×環境が大事なんやなって(そういう漫画ではありません。) 逃げ上手の若君 鎌倉幕…

桃戸ハル編・著『5分後に意外な結末 ベスト・セレクション』(2019年、講談社文庫)

2021年、33冊目。 薄味の世にも奇妙な物語という感じで、個人的にはいまいち。 サクサク読めるのはよかったし、小学校高学年くらいの頃に読んでたらハマっていたかもしれない。対象の読者もそのあたりなのではないかと思う。

養老孟司『 AIの壁 人間の知性を問いなおす』 (2020年、PHP新書)

2021年、32冊め。 養老孟司と、4人の識者のAIに関する対談をまとめた本。 羽生さんも対談相手にいたので読んでみたが、正直イマイチ。途中でいわゆる「対談本」が苦手なことを思い出した。当たり前だけど、話があっちこっち行くし、感覚で話してそうなところ…

福井 安紀『職業は専業画家』(誠文堂新光社、2021年)

2021年、31冊目。 専業の画家として生計を立てる著者が、いかにして生計を立てているか、その方法論を紹介する本。 価格設定、顧客の作り方、展示会の開き方…など、そもそも現代の画家がどうやって稼いでいるのかも知らなかったので、非常に面白く読んだ。 …

東川 篤哉 『はやく名探偵になりたい』(2014年、光文社文庫)

2021年30冊目。 烏賊川市シリーズの短編集。同シリーズは結構ハイアベレージだと個人的には思っているのだけれど、本作もなかなか良作揃い。 正統派の作品はあまりないけれど、どれも粒ぞろい。オススメです。 長編も短編良作を揃えられる、作者の底力を感じ…

森博嗣『つぼみ茸ムース The cream of the notes 5』(2016年、講談社文庫)

2021年29冊目。 良くも悪くもいつもどおりのエッセイ集。 このシリーズは長らく通勤時の読書を支えてくれたが、少しお休みしようと思う(飽きてきた。)。

東川篤哉『謎解きはディナーの後で』(2013年、小学館文庫)

2021年、28冊目。 シリーズ第二作。 前作が非常にハイクオリティだっただけに余計に感じるのかもしれないが、少しレベルは落ちてしまったように思う。 やっぱり、ドラマ化+大ヒットすると、熱いうちに鉄を打とうとする出版社にせっつかれるのかしら…と思う…

丸島 儀一『キヤノン特許部隊』(2002年、光文社新書)

2021年、27冊目。 少し古い本であり、「飲み屋で聞く上司の武勇伝」の趣きもないとはいえないが、良い本だった。キヤノン知財部のノンフィクションだが、法務が読んでも非常に面白い。 例えば、事業部門と議論する重要性を説く場面。 要するに本当に事業のた…

森博嗣『つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3』(2014年、講談社文庫)

2021年、26冊目。 (いい意味で)毒にも薬にもならないエッセイ集。 森博嗣、ミステリはあまり合わなかったんだけど、エッセイは割と肌に合う。 百万部売れる本はかけないけど、5万部売れる本を20冊かけるという話はなるほど、凄いなぁと思いました(速筆で…

村上 春樹『ランゲルハンス島の午後』(1990年、新潮文庫)

2021年、25冊目。 「スプートニクの恋人」の挫折がトラウマになって早幾年。 村上春樹に慣れる目的で、ノンフィクションものや読者の質問への回答集(『村上さんのところ』)を読破し、いよいよエッセイに手をだした。 なんというか、村上春樹らしいエッセイ…

森 博嗣『ツンドラモンスーン The cream of the notes 4』(2015年、講談社文庫)

2021年、24冊目。 森博嗣のエッセイ集。 「自分はこういう理由でこう考える」ということを示すのが相変わらずお上手で(プロの作家にこんなこと言うのは失礼ですが。)、お酒のアテに丁度いい。 1エッセイ2ページだし。

スティーヴン・ウィット(訳:関美和)『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち 』(2018年、早川書房)

2021年23冊目。 今年読んだ本の中で(大した量読んでいませんが)最も面白かった。 音楽が、CDで売られていた時代から、タダで(違法に)手に入る時代を経て、月額1000円で手に入るようになるまでを、MP3を開発した技術者、大手レコード会社のトップ、CD工場…

森博嗣『つぼやきのテリーヌ』(2013年、講談社文庫)

2021年22冊目。 ベストセラー作家、森博嗣のエッセイ集。 ホーン?と思うエッセイから、なるほどなぁと思うエッセイまで。少しメモしておきたいエッセイもあった。 自分よりも上や下からの言葉を聞けない、というのは、つまりは防御だ。自分を守りたいという…

ペーター・ヴォールレーベン(訳:長谷川圭)『樹木たちの知られざる生活: 森林管理官が聴いた森の声 』(2018年、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

2021年21冊目。 森林管理者の著者がその経験を語るエッセイ集。 ドイツで100万部を超えるベストセラーとのことで、なかなか面白かった。 でも、素人には書かれている内容がホンマなのかまるで判断つかんのよねぇ…それがまたいいのかもしれない。 意外とおす…

ウォルター・ブロック(訳:橘玲)『不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ』(2020年、早川書房)

2021年20冊目。 出版社による本書の紹介は以下の通りである。 売春婦、シャブ中、恐喝者はヒーローだ!!不道徳なものはすべて正しい! これからの「正義」の話をリバタリアン(自由原理主義者)がしよう。 そして、本書には次のような「ショック療法」の効果があ…

東川篤哉『謎解きはディナーの後で』(2012年、小学館文庫)

2021年19冊目。 ドラマ化もされたヒット作。 売れてる本はなぜか買いたくない天邪鬼でここまで読まなかったが、かなり良質な犯人当て集。 各短編がコンパクトながらツボを抑えており、普段ミステリを読まない人でも読む価値あり。

東川篤哉『密室に向かって撃て!』(2007年、光文社文庫)

2021年18冊目。 これまで読んだ氏の作品のなかではイマイチな部類。面白かったんですけどね。

東川篤哉『密室の鍵貸します』(2006年、光文社文庫)

2021年17冊目。 東川篤哉デビュー作、3冊目。 デビュー作らしく(?)、「ミステリ論」的な話あり、なかなかも面白かった。

東川篤哉『もう誘拐なんてしない』(2010年、文春文庫)

2021年16冊目。いやぁ、面白い。この本が文庫化された10年前、なんで読まなかったんだろう。 ミステリから離れてしまっていたが、この10年で出た作品たちを読み漁ろう。

福岡伸一『生命海流 GALAPAGOS』(2021年、朝日出版社)

2021年、15冊目。 『生物と無生物の間』でヒットを飛ばした著者のガラパゴス諸島紀行文。 ガラパゴス諸島を巡りながら、高校の生物の知識も怪しい読者にもわかるようにガラパゴスにまつわるアレやコレやを解説してくれる。 人懐っこい動物たちに会いにガラパ…

東川篤哉『交換殺人には向かない夜』(2010年、光文社文庫)

2021年14冊目。 この著書の作品はずーっと気になるけど読んでないを(20年近く)続けてきたが、いよいよ読んでしまった。 なんとなく、メディアミックスしてる著者って手をつけにくくなりがちで…(この著書の場合は『謎解きはディナーのあとで』)。 読んでみる…