インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

おすすめできない法務の実務本

すごく役に立ったのに、オススメすることが憚られる本がある。

 

ある分野でトラブルが起き、法務へ相談が寄せられる。自社ではあまり経験のないトラブル。すぐに顧問の先生に連絡しよう。

とはいえ、丸投げはできない(先生の回答の適切さも全く評価できないのでは話にならない)。

急いでその分野の本を買う。読む。先生とも相談する、実践に移す。

対応して、対応して、対応して、なんとか終わりが見えてくる。

 

ああ、良かった。

 

そこでふと思う。

「この本は実務の勘所がよくわかる素晴らしい本だ。ぜひフォロワーの皆さんにオススメしたい」

一方で、いくら匿名アカウントとはいえ、

「この本を勧めたら、うちがこの分野のトラブル抱えてたって丸わかりだよなぁ」

という考えが頭をよぎる。結局、

「オススメするのはやめておこう……」

となる。

こうして、人に言えないおすすめ本が増えていく。

 

こういう人、案外多いのではないか、と思う。