インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

2020-01-01から1年間の記事一覧

依頼者が求める答え

依頼者(≠依頼部署)が法務に求めていることは、実はバラエティに富んでいる 。 依頼者の真の動機を把握しておくことは、仕事をすすめるうえでプラスになれどマイナスになることはないのでは。 1.純粋に法的な結論を求めている ある論点について、法的な検討結…

2020年の終わり

今年は仕事が楽しくなった年でした。 経験上、楽しい時期が来たらしばらくは楽しい時期が続くので、来年も楽しい一年になる気がします。一文に楽しいを3回も使ってしまいました。アホ丸出しです。思ってたよりも本が読めなかった(27冊。高校生〜大学生の頃は…

M−1 2020 感想

去年に続き、M1の感想をつらつらと。去年のはこちら。 M−1 2019 感想 - インハウスな日々・インディアンズ(敗者復活) ネタの完成度はめちゃくちゃ高かったと思う。今年のM-1で見たネタの中で、2番目に面白かった。 出順がなぁ…インディアンズがラストとかな…

アンソニー・ウェストン(古草秀子訳)『論証のルールブック[第5版]』 (2018年、ちくま学芸文庫)

2020年27冊目。 論証(この本では、「結論を支える一連の根拠や証拠を提示すること」と、定義される)の手引。 司法試験やらなんやらで求められる演繹的な論証に限らず、他人を説得するために、議論のために、結論に至る過程を説明するために、何をすればよい…

おめでとう、アーモンドアイ

アーモンドアイのラストランが終わった。 終わってみれば、無敗の三冠馬2頭を従えて、堂々の一着。有終の美を飾った。その生涯成績は14戦10勝[ 10-2-1-1 ]。唯一の馬券を外したのが有馬記念、あとは全てのレースで馬券になってみせた。 僕が彼女と出会ったの…

なぜ法務は断言することを求めるか?

Twitterにて、誠実な弁護士であればAあるいはBと評価される可能性もある場合、望む結論になるために取りうる方策までは伝えるが、それ以上の断言は難しい、という呟きに接した*1。 それはそうあるべきだと思うが、なぜ企業の中の人間が断言を求めるか、二言…

多賀秀行『一生に一度は行きたい 世界の旅先ベスト25』 (2015年、光文社新書)

2020年26冊目。フルカラーでの旅行ガイドブック。 この手の本には珍しく?旅行代金など旅行にあたっての情報も掲載。コロナ下だからこそ。

古沢和宏『痕跡本の世界 古本に残された不思議な何か』 (2015年、ちくま文庫)

2020年、25冊目。落書き、メモ等の痕跡が残された古本(=痕跡本)にまつわるエッセイ集。 古本の世界も奥が深いけれど、そのさらに奥。 なかなかディープな世界だけど、なぜか日常の謎系の推理小説のようになっている不思議。かるーくなにか読みたいときに。 …

無駄なラリー

契約書ネタばかりですが、最近思っていることをつらつらと。 無駄なラリーを減らすことってもっと意識してもいいんじゃないでしょうか、というのがこの記事のテーマです。 先日も少し書きましたが、契約交渉の無駄なやり取りを減らすことって双方にとってwin…

修正を提案するなら理由もつけてくれ

契約書の修正というと、本文でコメントするかWordのコメント機能を使うか問題とか、エクセルで契約書作るな問題とか、「絶対に修正できない契約書」問題とか、色々あると思いますが……。何よりも問題だと思うのが、修正理由をつけずに修正提案をしてくるパタ…

11月

11月になりました。今年は仕事の幅も広がり、やりがいも責任も大きくなったこともあってか、あっという間でした。 なんというか、インハウスの楽しさを一番感じてる1年になった気がします。このあたりのこと、年内に整理して年明けを迎えたいです。ありがた…

自分の引き出しと外部の引き出し

森博嗣がどこかで「人生には、テキストもノートも助っ人も、なんでも持ち込めます」と書いていて、なるほどそういう考え方もあるのかと思った次第。司法試験に限った話ではないけれど、試験と名のつくものにはおよそ持ち込めるものが限られていて(司法試験…

ちいさいあき

ついこの間まで真夏だったのに、もう本格的に秋に入りそうですね。

なんのために?

Twitterをしていると、定期的に特定の(あるいは特定の界隈の)事務所の労働環境をべた褒めするTweetに出くわすことがある。そのTweetをする人はおそらく中の人ではなく、外の人なのだけれど、なんのためにするのかよくわからない 。人の進路に影響を与える…

都築政昭『黒澤明と「七人の侍」』 (2006年、朝日文庫)

2020年、24冊目。黒澤明の七人の侍制作秘話。 単なる裏話ではなく、黒澤のこだわりや映画に登場するエピソードの元ネタなど、映画同様細部にこだわった作り。良本です。

早坂進「感動する!数学」(2009年、PHP文庫)

2020年23冊目。 数学トリビア集の感じたけど、全体としてまとまりもあり、面白かった。

大山誠一郎「アリバイ崩し承ります」(2018年、実業之日本社))

2020年22冊目。ミステリー好きからは結構好評のようだが、好みには合わず…。 結局アリバイものが嫌いなのかもしれない。

松井大輔「サッカー・J2論」 (2019年、ワニブックスPLUS新書)

2020年22冊目。Jリーグ再開ということで。 松井大輔の経験からJ2や海外の2部リーグを語る本。良くも悪くもあっさりとした内容で、Jリーグが好きな人向けの一冊。 自分は楽しめたけど、人には勧めないです。

ようやくのJリーグ再開

プロ野球も先日から開幕しているが、いよいよJリーグが再開する。サッカーは生で見てこそナンボだと思っている*1ので、観戦できないのはなんとも残念だが、とにかくサッカーのある生活が帰ってくることが楽しい。2月に延期…となってはや4ヶ月。 サッカーのな…

西澤保彦「聯愁殺」(2002年、原書房)

2020年21冊目。学生時代に読んで以来の再読。 あんまり話すとネタバレになってしまうが、ミステリが好きで未読の方がいれば是非読んでほしい名作。オススメです。

法月綸太郎「キングを探せ」 (2015年、講談社文庫)

2020年、20冊目。久々に法月作品を読む。 著者が得意とするパズルミステリを長編まで昇華させたような作品で、「法月綸太郎の冒険」など短編で発揮された実力を見事長編で発揮している。ミステリが好きな方であれば読むべき一冊(今更かもしれないが‥)

大鹿靖明「ジャーナリズムの現場から 」(2014年、講談社現代新書)

2020年、19冊目。ジャーナリストへのインタビュー集兼ブックガイド。 紹介されている本は読んでみたくなったが、インタビュー自体にはあまり惹かれなかった。。あと10年早く読みたかった。

ミスったときに怒られない方法

大変後ろ向きな話題ですが…失敗してしまったときにどうすれば怒られないか、整理してみます。 ①謝罪 謝ります。②ミスを過小報告しない ミスの内容は正確に報告します。過小報告したくなるのはやまやまですが、バレたときにダメージ2倍になります。③リカバリ…

日高 敏隆「ホモ・サピエンスは反逆する」 (2020年、朝日文庫)

2020年18冊目。 1950〜70年代に著者が発表したエッセイを集めて1990年代に販売された書籍を2020年に改題、再構成して販売されることになった本書。表題作は面白かったが、正直それ以外は時代の試練に耐えれていない内容だった。著者も普遍的なものを書こうと…

アーモンドアイ、敗れる

安田記念が終わった。 アーモンドアイが負けた。アーモンドアイは圧倒的人気。 昨年は敗れたとはいえ、ここは落とさないだろう。ここは固い。 2番人気・インディチャンプも実力は確かだが、「荒れる」安田記念のこと、人気順にワンツーはないだろう、アーモ…

NHKスペシャル取材班「人工知能の「最適解」の人間の選択」(NHK出版、2017年)

2020年17冊目。AIが身近になる中、どう付きあっていくかに焦点を当てた一冊。 印象的だったのは米国では裁判所が処分の判断にAIを使っているということ。 日本で導入したらどうなるか。裁判官の過去の事例から学習させればどうなるか。

企業は研究者の無知を悪用しているのか?

ノーベル賞受賞者が当事者ということもあって、大きく報道されていますね。 気になったのは以下のコメント。 「日本では、企業が研究者の無知を悪用して非常に一方的な契約を結ばせるという問題が頻発している。」 このコメントを聞いたとき、「ホンマかいな…

上山浩・若松牧「準委任契約の誤解を解きほぐす-システム開発契約を題材に-」

上山浩・若松牧「準委任契約の誤解を解きほぐす-システム開発契約を題材に-」 知財管理2020年5月号。以下のURLから内容を見れます。感謝。 https://www.hibiyapark.net/topics/report/2079.html

2020年の日本ダービー

今年のダービーが終わった。 馬券のことはともかく*1、このご時世でG1を楽しめていることに感謝したい。ようやく再開時期が決まったが、プロ野球もJリーグも試合を開催できなかった中で、競馬はなんとかここまで来た。 野球とサッカーにできないことができた…

司法試験の思い出

この季節になると、(その話題でTLが盛り上がるから)司法試験のことを思い出す。僕は一度目の司法試験に失敗し、二度目で合格した。 今になって思い出すのは一度目の司法試験のことばかりだ。一度目の時は帰りの電車の中で不合格を確信し、次の日から勉強を…