企業は研究者の無知を悪用しているのか?
ノーベル賞受賞者が当事者ということもあって、大きく報道されていますね。
気になったのは以下のコメント。
「日本では、企業が研究者の無知を悪用して非常に一方的な契約を結ばせるという問題が頻発している。」
このコメントを聞いたとき、「ホンマかいな」と思わざるを得なかった。*1
当然、私はこの件の詳細を知らないので以下一般論として思ったところをつらつらと。
まず、企業が自社に有利なように契約書を提案するのは当たり前の事である。
その内容に不満があるなら締結前に交渉すべきだ*2。
企業から見ると、大学との共同研究はリスクが付きものである。
どんなに画期的な成果がでても*3、金にならなければ企業に金は入らない*4。
リスクを取る代わりに、うまくいった場合のリターンは企業に有利にしてくださいね、と提案することは至極まっとうなのではないかと思うのだけれど、おかしい感覚だろうか。
次に、大学と契約を締結する場合には大学の法務担当部署を通すし、「研究者の無知を悪用する」ことは通常できない。
もし、企業が研究者を騙して有利なように契約を結べているとすると、研究者側が学内の手続きを踏んでいないか、学内の法務担当部署との連携不足が原因ではないだろうか?
大学との交渉は骨が折れるケースが多く、裏道があるなら教えてほしい*5。