インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

依頼者が求める答え

依頼者(≠依頼部署)が法務に求めていることは、実はバラエティに富んでいる 。

依頼者の真の動機を把握しておくことは、仕事をすすめるうえでプラスになれどマイナスになることはないのでは。

 

1.純粋に法的な結論を求めている

ある論点について、法的な検討結果を中立的に求めている場合。ふわっとした(抽象的な)疑問を抱いた場合に現れる。

ある意味、法務にとっては理想的なお客様だか、案外やりがいのない仕事になりがち。

 

2.問題ないという答えがほしい

上司が「一応、法務にも見てもらっておけ」と言ったような場合である。指示をした上司はともなく、依頼者には何の目的意識もないことが多い。

そのため、依頼者の求めている事は「OKです」という結論である。当然、依頼者を説得してあるべき結論に導くことも法務の仕事である(べき論)。

交渉相手の提案を安易に飲もうとするのもこの種の依頼者だが、相手方よりも法務のほうがめんどくさいと思わせると、味方になってくれることも。

 

3.アドバイスがほしい

主体的に仕事を勧めたいお客様。法務に求めるのはあくまでアドバイスであって、どの手段をとるかは自分で決めてくれる。

このタイプが「違法?みんなやってるよ?」という思考の持ち主だと、色々まずいのに軌道修正が進まない地獄みたいな事態に発展しがち。

でも大抵は責任感が強いタイプ。4.に移行することも。

 

4.どうすれば良いか一緒に考えたい

現状がアウトだとして、どうすればOKか?考えてくれ、というパターン。こういう仕事はたいてい楽しい。

こういうお客様がつくためには日頃の仕事ぶりが大切。とりあえずNOというだけの仕事してたら、こういう相談はまずこない。

 

5.案件を止めてほしい

レアケース。実は違法であるとの結論がほしい。一定の結論を求められるケースは多いが、違法であるとの結論がほしい場合はレア。

立ち回り方を間違えると、メンドクサイことになるので、そういう意味で注意が必要。

 

6.何も考えていない

2.の亜種。ただのイエスマン

ある意味手間はかからないが、主体的に仕事をすすめてくれるわけではないので、案件が長引きがち。

ただのイエスマンが途中から2.に変化することもある。