インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

スティーヴン・ウィット(訳:関美和)『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち 』(2018年、早川書房)

2021年23冊目。

 

今年読んだ本の中で(大した量読んでいませんが)最も面白かった。

音楽が、CDで売られていた時代から、タダで(違法に)手に入る時代を経て、月額1000円で手に入るようになるまでを、MP3を開発した技術者、大手レコード会社のトップ、CD工場で働く労働者、消費者、そしてミュージシャンそれぞれの視点から描くノンフィクション。

それぞれの糸がどのように交わり、そして音楽はタダになったのか。

 

1990年代のCD全盛時代、2000年代のヒップホップの隆盛、そして2010年代を消費者として過ごした方ならぜひ読んでほしい。懐かしい記憶が蘇るとともに、あの時代に音楽の世界でなにが起きていたのか、その一端をかいまみることができる。

 

邦題では「誰が」とついているが、原題の「HOW MUSIC GOT FREE」のほうが内容を表しているようにも思う。

オススメです。