インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

2021-01-01から1年間の記事一覧

東川篤哉『交換殺人には向かない夜』(2010年、光文社文庫)

2021年14冊目。 この著書の作品はずーっと気になるけど読んでないを(20年近く)続けてきたが、いよいよ読んでしまった。 なんとなく、メディアミックスしてる著者って手をつけにくくなりがちで…(この著書の場合は『謎解きはディナーのあとで』)。 読んでみる…

ミステリのルール、訴訟のルール

弁護士で作家の五十嵐律人氏が以下のインタビューでコメントされていました。 弁護士作家・五十嵐律人氏「ミステリーと法律論は似てますよね」|NEWSポストセブン 伏線や謎解きもなく真犯人が登場しても、読者は納得しないと思います。その結末に至るのにい…

田口俊樹『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年』(2020年、本の雑誌社)

2021年13冊目。 翻訳者のエッセイ。翻訳者の世界の一端を覗くとともに、一応「言葉」でメシを食べている者として勉強になる点、トリビア的な点もあり面白かった。 結構、法律書面のドラフトと共通するところがあるもんだ、と感じました。おすすめです。 特に…

契約審査業務は結局ヒトのもの

色々感じたところもあり、 どれだけ契約審査にAIが使われるようになろうとも、社内外の交渉は人がやるわけで、そういう意味で法務の仕事はなくならないだろうとは思ってる と呟いた。 法務の仕事、というのは契約審査業務を指しており、要するに契約周りの仕…

法月綸太郎『しらみつぶしの時計』(2013年、祥伝社文庫)

2021年、12冊め。 氏の短編集には信頼をおいているものの、今ひとつ。 雑多な印象を拭えなかった。 ベストは「ダブル・プレイ」

野村克也『野村ノート』(2009年、小学館)

2021年、11冊目。 今更ながら読みました。 結構、古風なところがあると思ったり、現代の仕事論に通じそうなところもあるなと思ったり。

倉知淳『作家の人たち』(2021年、幻冬舎文庫)

2021年10冊目。 全然本が読めてなかったなかで、作家の内輪本。 印税のリアルを描く「夢の印税生活」、出版不況の中て売り上げを伸ばすラノベ業界を皮肉った「らのべっ!」など、某業界の某系統の事務所への批判を見ているような……。 作家になっても会社員か…

向いていなければインハウスになればいい

今日のつぶやきからメモ。・たまーに「事務所が向いていなければインハウスになればいい」的な言説に触れるのだけれど、民間企業をセーフティネットか何かと勘違いするのはやめていただきたい。 ・というか、セーフティネットとして舐めきった態度でインハウ…

将棋のすすめ〜将棋と訴訟はだいたい同じ〜

緊急事態宣言下、ひと仕事終えたあとの高級レストランでのひとときもままならない各位。 将棋を始めてみるのはいかがでしょうか。今更将棋かよ…と思うなかれ。将棋は弁護士業に非常に近いのです。 1.将棋は訴訟とだいたい同じ あまり知られていませんが、将…

その回答、メールでするか?電話でするか?

1.はじめに簡単な質問をメールでもらったとします。メールの送り主は「一見さん」。どんな人なのかわかりません。とはいえ、メールに必要な事項は不足なく書かれており、追加の確認は不要そうです。 少し確認作業をしてさあ回答、ということになったときその…

法務の小技集

過去記事を整理しました。 適宜追加していきます。 第1 必要な資質のようなもの 法務に求められる「人当たり」 - インハウスな日々 第2 ちゃっちゃと仕事をするために 1.依頼が来る 2.事案の内容を把握する (1) ヒアリング (2) 方針を決定する (3) 依頼者の…

山里亮太『天才はあきらめた』(2018年、朝日新聞出版)

2021年9冊目。人気芸人、山里亮太の自叙伝。これを読んで、山里亮太が努力の人だとの感想を抱いた方がいるらしいが、とんでもない。 これだけのエネルギが体の内側から湧いてくることが凄い才能だと思う。芸人に興味がある方にはオススメ。

納期の伸ばし方

法務に限らず、仕事は納期に追われるもの。 かの、手塚治虫も「傑作は、締切から生まれる」という名言を残したとか。そして編集者からの催促攻めにあったとか。いやあ、納期ってほんといいもんですね*1。 冗談はさておき。仕事術的な本を読むと、必ずと言っ…

佐々木健一『雪ぐ人 えん罪弁護士 今村 核』(2018年、NHK出版)

2021年8冊目。 NHKで放送されたドキュメンタリーの書籍化。今村核弁護士への密着。 ドキュメンタリーも面白かったが、書籍も面白い。僕なんかが言うのはおこがましいけれど、刑事弁護に取り組む先生の凄さが伝わってくる内容なので、逆転裁判とか好きな人に…

佐藤 比呂志『巨大地震はなぜ連鎖するのか 活断層と日本列島 』(2016年、NHK出版新書)

2021年7冊目。 先日の地震を受けて。 2016年の熊本地震直後にかかれた本だが、とりあえず西日本も南海トラフ地震が起こるまで地震活動が活発化するとのことで。。 そんな日が来ないことを願いつつ、いつか来てしまうんだろうな

法務(インハウス)になる前に読んておきたかった本

インハウスとして働き始める前にこの本を読んでおきたかった…という本を2冊紹介します。1.大石哲之『コンサル一年目が学ぶこと』(2013年、ディスカバートゥエンティワン)コンサル〜とありますが、本書が目指しているのは社会人に求められる普遍的なスキル…

北折充隆『迷惑行為はなぜなくならないのか? 「迷惑学」から見た日本社会』(2013年、光文社新書)

2021年6冊目。 パウゼ先生の企画で紹介されていて気になった一冊。タイトルがキャッチーだったので、「よくあるテキトーな新書かも」と思いつつも読み始めた(失礼)が、期待は良い意味で裏切られた。様々な切り口で「迷惑」を取り扱っており、 ・正しいこと…

西澤保彦『ぬいぐるみ警部の帰還』(2013年、創元推理文庫)

2021年5冊目。 いつもの西澤作品。 西澤ファンでなければ読む必要はないかな〜という感じ。

法務に求められる「人当たり」

何気なく以下のようなTweetをしたところ、思いのほか反応があり… 法務に必要な人当たりのよさって・世間話ができる・今更どうしようもないことを責めない・わかりやすさ優先で説明する・次に何がしたらいいか示すくらいので十分評価されるレベルになる気がす…

大石哲之『コンサル一年目が学ぶこと』(2014年、ディスカバー・トゥエンティワン)

2021年4冊目。スライム先生オススメの一冊。 コンサル一年目の〜とあるが、仕事術的な内容。 少なくとも法務の仕事にもそのまま使えそうな内容ばかりなので、1年目に読みたかった。これからインハウスになる人にもおすすめです。

壇俊光『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』(2020年、インプレスR&D)

2021年3冊目。めちゃんこ面白かった。 修習生とか読んでみてもいいのではなかろうか。刑事弁護というよりは、金子氏の人柄に焦点があたっているので、前者を期待しすぎると肩透かしを食らうかも。とにもかくにもオススメです。

畑村洋太郎『技術の街道をゆく』(2018年、岩波新書)

2021年ようやく2冊目。 畑村版「街道をゆく」とのことだが、本家は全くの未読。 技術屋さんのエッセイという感じで、結構ハッとさせられるところも多く、楽しく読めた。

芦原一郎編著『説得力が劇的に上がる 法務の文書・資料作成術!』(2020年、学陽書房)

法務向けの文書・資料作成のノウハウ指南本。 1.暗黙知を形式知に変える 本書の中でも繰り返し三段論法の重要性が指摘されているが、本書の構成それ自体が三段論法を意識したものになっている。まずは、一般的・抽象的な文書・資料作成のルールを解説したう…

小林快次『恐竜まみれ 発掘現場は今日も命がけ』(2019年、新潮社)

2021年1冊目。恐竜の化石発掘調査の裏側的な本。 前野ウルド浩太郎の『バッタを探しにアフリカへ』的な本ではない(これも面白い)。結構、フランクだけど、熱い感じでもあり、SLAM DUNKでいうと木暮みたいな本。割とおすすめです。

ちゃんと調べる前に(忘れがちな前処理)

社内をふらふらしてると取っ掛かりが見えないような相談を持ちかけられることもしばしば…。 そんなときの対処方法をば*1。 1.Googleに聞く 馬鹿にできない方法。 もちろん、ひっかかってくる情報のレベルは玉石混交もイイトコだが、手がかりになりそうな法令…

2021年になりました

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。今年の目標は以下の通りです。 ・本を50冊以上読む ・G1全レース的中させる ・週15時間は勉強の時間を取る過程を楽しむ1年にしたいですが、馬券はそろそろあたってくれなきゃ困ります。