インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

組織を辞める日

沢木耕太郎は、会社に向かう途中に信号待ちをしていて、退社を決意したという。出社初日に。

確か、会社勤めを40年やることを実感してしまったからだったと思うが私の記憶が定かでない。
このエピソードが深夜特急(名作です。未読の方は是非。)に載っていたのか、他の本で紹介されていたのか、はたまた実はデマなのかはわからない(深夜特急に載っていた気がしてパラパラと一巻をめくってみたが、見つけることができなかった)。

そんなことはどうでもよくて、会社にせよ、法律事務所にせよ、組織に属した以上はいつかは辞める日が来る。
来るのだけれど、結構辞めどきって難しいと思う。
沢木耕太郎のように、後に金を稼ぐことができれば問題はないが、そういかなかったときのことを考えるのが人間の常。

自分はようやく仕事の面白さがわかってきたところということもあって、今やめようとは思っていない。ただ、いつかは今の組織を辞める日が来ることになるが、そうなったときにお金を貰えるスキルくらいは身につけないとな……という思考がたまーに頭をよぎる。

周囲にも事務所を渡り歩く人や会社から会社へと転職を繰り返す人がいるが、自分にはそんな度胸はとてもない。

とりあえず、恵まれているかもしれない今の環境を活かしていかなくちゃなぁ。