サッカーのない週末
個人的に、今回の騒動で思い出すのは2011年の震災なのだけど、あの時、勇気をくれたのはサッカーだった。
サッカーファン以外で覚えている方がどれだけいるかはわからないが、震災後わずか18日で開かれたチャリティマッチ(日本代表対Jリーグ選抜)に、44歳だったカズが出場した。
はっきり言って、実力だけ見れば日本代表レベルにもなければJリーグ選抜に選ばれるレベルにもなかった。
それでも、カズが出場することに違和感を持つ人は誰もいなかったと思う。
それほどの選手なのだ。
そしてカズは、闘莉王のヘディングの落としで裏に抜け、寄せてきたGK東口に対して「ここしかない」シュートを決めてみせた。
やはり、それほどの選手だった。
カズは試合後にこうコメントしている。
テレビのニュースなどで『おれたちは頑張ってやっているから、暗くならないでくれ』という被災者の方々からのメッセージを見て、逆に自分の方が勇気をもらっている部分もありました。そういう意味では、自分たちが元気でやっていかないといけない、という気持ちを抱きながらプレーしました
先週末、開幕したばかりのJリーグのない週末を過ごしながら、サッカーのある日常が一日も早く戻ることを思うと、あの日のカズを思い出さざるを得なかった。
J1に戻ってきたカズを、早くピッチで見たい。
53歳になっても何かしてくれると思うから。