インハウスな日々

ある企業内弁護士の備忘録です

村上春樹「約束された場所で underground2」(文春文庫、2001年)

2020年6冊目。

村上春樹による、オウム真理教信者・元信者へのインタビュー集。

インタビュー内容は意外なほど軽いものが多かった。一人の信者から見るとそんなものなのかも、と思う。
意外なほど普通の人が多く、でも、少し変わった人が多い。自分もそのうちの一人かもしれない。
村上春樹があとがきで「私がオウムの信者、元信者へのインタビューを続けていて、その過程で強く実感したのは、『あの人たちは(中略)エリートだからこそ、すっとあっちに行っちゃったんじゃないか』ということだった」と書いているところが印象に残っている。
あさま山荘事件などをおこした連合赤軍もそうだったようだが、「自分たちは人とは違う」という意識は、人が一線を超えるときに使う道具の一つなのかもしれない。

…ところで、地下鉄サリン事件からもすでに25年がたとうとしている。おそらく、もう歴史になってるんだろうなあ。